コンテンツにスキップ

drawtonomy と RoadRunner の比較

MathWorks RoadRunner は、自動運転システムのシミュレーション・テストに用いる 3D シーンを設計するためのエディタです。RoadRunner Scenario と組み合わせることで、HD マップ作成から動的シナリオの生成まで一貫して対応でき、プロの ADAS / AD チームが日常的に使う標準ツールの一つとなっています。

RoadRunner がカバーする領域:

  • フル 3D・解析ジオメトリによる HD マップ作成。
  • ASAM OpenDRIVE 1.4 〜 1.8 の読み込みと書き出し。
  • RoadRunner Scenario でのシナリオ作成と、ASAM OpenSCENARIO の XML / DSL 形式での書き出し。出力は CARLA、esmini、IPG CarMaker、dSPACE ASM など OpenSCENARIO 準拠シミュレータとの互換性を前提に設計されています。
  • MATLAB / Simulink との連携 (協調シミュレーションやスクリプトパイプラインを含む)。
  • 車両・道路設備などの 3D アセット。
  • MathWorks によるドキュメントとサポート体制。

HD マップやシナリオカタログをある程度の規模で作るチームにとって、RoadRunner は真っ先に候補に上がるツールです。

RoadRunner は商用の MathWorks 製品です。大学によっては Campus-Wide License に RoadRunner が含まれており、所属者は追加費用なしで使える場合があります。在籍中の方はまず学内での利用可否を確認してみてください。大学外での利用は有償ライセンスが必要です。

drawtonomy は自動運転シーン向けのブラウザホワイトボードです。エクスポーターのドキュメント にあるとおり、OpenDRIVE 1.8 と OpenSCENARIO 1.3 の書き出しはスペックの一部にとどまります。たとえば OpenDRIVE の <junction> 要素や <signal> としての標識の出力は現時点では未対応であり、OpenSCENARIO の Storyboard 表現も限定的 (条件付きトリガ・パラメータスイープ・複雑な Act は非対応) です。これらはロードマップに挙がっています。

RoadRunner と併用できる小さな場面をいくつか挙げると:

  • 論文の図・スライド・設計議論用に、ブラウザだけで完結する無料の軽量スケッチツールとして。
  • ドキュメント用の図ソースとして、編集可能な .drawtonomy.svg ファイルを用意したいとき。
  • シーンの簡易版を esmini でさっと動かして確認したいとき。

両方使える状況なら、RoadRunner で本番シナリオを作り、drawtonomy でその概念図を描く、という分担が自然な使い方です。

同じ ASAM エコシステムの一員として

Section titled “同じ ASAM エコシステムの一員として”

RoadRunner と drawtonomy は、ともに ASAM の OpenSCENARIO と OpenDRIVE を共通の基盤にしています。一方のファイルをもう一方で開く経路は原理的に存在し、どちらの出力も esmini で再生できます。OpenSCENARIO / OpenDRIVE のコミュニティはまだ小さく、ここに関わるツール群 — RoadRunner、drawtonomy、Truevision DesignerLaneMakerBlender DSCscenariogenerationesmini — は「シナリオベーステストをより身近にする」という共通の目的を持っています。それぞれが同じエコシステムの中で異なる役割を担っています。