設計レビュー用のスライド図を作る
設計レビュー(社内のアーキレビュー、マイルストーンレビュー、顧客向けデモなど)では、ほぼ必ず「いま話しているのはこのシナリオです」というスライドが入ります。そのスライドには、2 秒で次の情報が伝わってほしい。
- 道路のレイアウト(レーンと方向)
- 登場する車や人
- 主要なイベント(合流、cut-in、Perception が見落とすケース など)
うまく作れていないと、参加者がスライドを凝視するだけで時間を取られます。逆にうまく作れれば、その 1 枚で残りの説明が引き立ちます。
ありがちな描き方とその課題
Section titled “ありがちな描き方とその課題”- PowerPoint の図形には「レーン」という概念がないので、1 ヶ所合流位置を直すと、それに引きずられる図形が複数あって全部直すことになります。
- シミュレータのスクショは密度が高く、参加者がシミュレータの見た目に注目してしまって、シナリオの本筋から外れがちです。
- ストック素材のアイコンは汎用すぎて「2 台の車」とは伝わっても「レーン合流の話」とは伝わりません。
drawtonomy での描き方
Section titled “drawtonomy での描き方”- レーンのジオメトリから始める。Lane Tool で中心線をクリックすれば、左右の境界が引かれます。交差点は Intersection Templates から 4 方向交差点や T 字路をワンクリックで置けます。
- 登場物を選ぶ。Vehicle / Pedestrian テンプレートが揃っているので、セダン・バス・トラック・バイク・歩行者などをそのまま置けます。チーム独自のアイコンセットがあるなら、SVG テンプレートとして読み込むこともできます。
- 矢印で意図を伝える。各登場物に Path 矢印を 1 本足すと、何をしようとしているかがはっきりします。複数本にすると逆に混乱しがちです。
- デッキのテンプレートに合わせる。drawtonomy は色を一元管理しているので、レーンの塗りをスライドの背景に、輪郭をアクセントカラーに合わせると、デッキになじみます。
.drawtonomy.svg(drawtonomy 独自の SVG 形式)で保存する。設計レビューのフィードバックはほぼ必ず「同じ図で X を変えたバージョン」を要求してくるので、再編集可能な状態で残しておく価値が高いです。.drawtonomy.svgを開き直せばレーン接続と登場物の配置が完全に復元されるので、変更は「描き直し」ではなく「編集」で済みます。- 同じシーンから透過背景の PNG を書き出す。PowerPoint / Keynote / Google Slides にそのまま貼り付けられます。SVG を受け付けるスライドツール(Google Slides の画像挿入、Keynote のベクター貼り付けなど)であれば、
drawtonomy.svgをそのまま貼ることもできます(通常の SVG として有効なので)。
効きやすい工夫
Section titled “効きやすい工夫”- 1 スライドに 1 シナリオ。同じレーン上に複数シナリオを重ねると、参加者が読み解けません。
- 進行方向は矢印 1 本。並列に何本も矢印を入れると「全部動いている」ように見えてしまい、伝えたいことがぼやけます。
- 不具合モードは対照色で強調。「Planner が cut-in 車両を取りこぼした」が論点なら、その車両だけ別の色に。残りは中立色にしておきます。
何がうれしいか
Section titled “何がうれしいか”1 枚目に必要な時間は PowerPoint と大して変わりません。違ってくるのは、レビュー中に出てくる「もう 1 パターン見せて」という変更要求にかかる時間です。レーンの形・登場物・配色が再利用可能なので、ゼロから描き直すことなく、その場で見せ方を切り替えられます。この仕組みを動かしているのが .drawtonomy.svg ファイルです。スライドのリポジトリに「真実の出どころ」として置いておけば、リバイズのたびに「再ビルド」ではなく「編集」で済みます。
- ADAS テストシナリオの下書き — 同じ流儀を ADAS のシナリオに当てたもの。
- 自動運転の論文用の図 — 同じ流儀を論文用に当てたもの。