交通工学・都市計画の下書き
交通工学のエンジニア、交通プランナー、土木コンサル、アーバンデザインのチームは、上から見た道路・交差点の図を頻繁に作ります。交通調査のスコーピング資料、住民説明会のスライド、社内レビュー、クライアント向け成果物などです。
交通解析の本番ツール
Section titled “交通解析の本番ツール”交通工学の本番作業は、drawtonomy では置き換えられない解析・設計ソフトウェアの上で行われます。
- Synchro / SimTraffic (Trafficware) — 信号運用評価で広く使われる。
- Passer などの信号最適化ツール群。
- VISSIM (PTV) と Aimsun — ミクロ交通シミュレーション。
- AutoCAD Civil 3D — 土木向けの道路設計。
- MicroStation / OpenRoads (Bentley) — 同種のもう 1 つの代表的なプラットフォーム。
- Maptitude — GIS ベースの交通計画とルーティング。
- 容量解析の理論的な拠り所として Highway Capacity Manual(Transportation Research Board)。
- HD マップ品質の道路ジオメトリには MathWorks RoadRunner など(比較記事 も参照)。
本格的な交通工学・都市計画の意思決定にかかわる解析や設計は、これらのソフトを土台にして進めるのが妥当です。
drawtonomy が役に立つ場面
Section titled “drawtonomy が役に立つ場面”drawtonomy は運転シーンのシェイプを備えた、無料のブラウザホワイトボードです。交通解析ツールではないので、容量計算・信号最適化・ミクロ交通シミュレーションは扱えません。ただし以下のような場面では、生産性を引き上げてくれることがあります。
- 住民説明会用のスライドに載せる、提案する交差点レイアウトの上から見た図を作る。
- Complete Street の断面イメージを、関係者の早期議論向けに描く。
- 衛星画像や地図画像の上に、右左折規制の変更案や新しい自転車レーンの案を重ねる。
- 複数の成果物(報告書・スライド・社内資料)で使い回すための、編集可能な
.drawtonomy.svgソースをひと揃え作っておく。 - レーン同士のつながり(next / previous / left / right)を意識しないと説明できないレイアウトを、2D 図上でそのまま表現する。
編集可能なソースは .drawtonomy.svg のまま残しておきます。報告書や公開ミーティングの資料は何度かリバイズが入るのが普通なので、再編集できるファイルがあると作業量が大きく変わります。同じシーンから、スライドや Word 報告書向けに透過背景の PNG を書き出して使えます。
drawtonomy ではないもの:
- 容量計算や信号最適化のツール。
- ミクロ交通シミュレーションのプラットフォーム。
- 測量精度の CAD 設計ソフト。
- GIS や交通モデリングシステム。
これらが必要なときは、上の本番ツールを使ってください。
現実的な使い方
Section titled “現実的な使い方”解析と詳細設計は既存のツール群でそのまま進める。その上に乗る「コンセプト図」— Synchro の結果を見せる前に交差点を紹介するスライド、住民説明会で「今回の変更点はこれです」と言うためのスライドの図 — の部分を、drawtonomy で素早く作る、という使い分けが自然です。
- 設計レビュー用のスライド — 同じ流儀をスライド向けにしたもの。
- 自動運転の論文用の図 — 流れがよく似ている論文向けの用途。