Autoware の HD マップ
Autoware は Autoware Foundation が運営するオープンソースの自動運転スタックです。ROS 2 ベースで開発されています。
リポジトリの構成
Section titled “リポジトリの構成”Autoware Foundation はコードを複数のリポジトリに分けて管理しています。特によく登場するのは次の 2 つです。
autowarefoundation/autoware— メタリポジトリ。バージョン固定・launch・設定・ドキュメントを束ね、全体をつなぎ合わせる役割を担います。「Autoware を動かしてみたい」ときの入口はここです。autowarefoundation/autoware_universe— アクティブなソースコードリポジトリ。Planning・Perception・Control などランタイムのコンポーネントが ROS 2 上で開発されており、日々の開発の中心地です。
安定した中核ライブラリは autoware_core にまとめられています。
(旧世代の Autoware.Auto や Autoware.AI は以前のバージョンです。新規開発のターゲットは現行の Autoware / Autoware Universe です。)
HD マップの扱い方
Section titled “HD マップの扱い方”Autoware は HD マップの主表現として Lanelet2 を採用しています。典型的な Autoware のマップディレクトリには次のファイルが含まれます。
lanelet2_map.osm— Lanelet2 ベースの HD マップ本体 (マップ作成ツールが主に編集する対象)pointcloud_map.pcd— 自己位置推定で使う LiDAR 点群- 点群マップのメタデータ
- 任意の可視化メッシュ
Autoware は素の Lanelet2 仕様の上に、Planning・Perception コンポーネントが依存する追加タグや慣習をまとめた Lanelet2 拡張仕様 を定義しています。
マップを作るツール
Section titled “マップを作るツール”Autoware コミュニティで使われる主な HD マップ作成ツールは次のとおりです。
- TIER IV Vector Map Builder — Autoware 向けに設計されたブラウザベースの Lanelet2 エディタ。レーン作成に加え、信号・停止線・横断歩道・駐車場などの規制要素に対応し、点群マップを参照レイヤーとして読み込めます。Autoware ユーザーへの最初の推薦ツールとしてよく挙げられます。
- JOSM + Autoware Lanelet2 プラグイン — 老舗の OSM 用デスクトップエディタを Lanelet2 向けに拡張したもの。Autoware のドキュメント によれば、JOSM 作成のマップを Autoware で使えるようにするには手動調整が必要になることがあります。
- MapToolbox — Autoware 用ベクターマップを Unity 上で作る Unity プラグイン。
- 本番規模のマッピングには TIER IV の有償 HD マップ作成サービス。
Autoware ワークフローにおける drawtonomy の位置づけ
Section titled “Autoware ワークフローにおける drawtonomy の位置づけ”drawtonomy は Autoware の HD マップ作成ツールではありません。Vector Map Builder・JOSM・専門のマッピングサービスがその役割を担っており、本格的なマップ作成にはそれらが適切な選択です。
ただし、隣接する軽量な用途では drawtonomy が役立ちます。
- 何もインストールせずに既存の Lanelet2 マップを手早く確認する。
- 論文・スライド・設計ディスカッション用に、Autoware サンプルマップ上にシナリオの図を描く。
- ドキュメント向けに Autoware の交差点の簡略図を作る。
- 小さなマップへの軽い形状修正 — 境界の整形、ギザギザなセグメントの滑らかな調整など。
drawtonomy では対応していないこと:
- UI 上での Lanelet2 規制要素の作成・編集。(インポートした要素は sidecar 機構で再エクスポート時に保持されますが、ビジュアル的に編集はできません。)
- 都市規模・測量品質のマップ作成。
- 実際の Autoware スタックで稼働できる品質のマップ作成。
drawtonomy は本格的な Autoware ツールの代替ではなく、その補助として軽量な可視化や図作成を担う位置づけです。